トップ > うつ病の治療 > うつ病の治療方針 > 修正型電気けいれん療法

修正型電気けいれん療法

脳内のバランスを整える治療です。

ECTのお部屋の風景

『電気けいれん療法』は英語で“ElectroConvulsive Therapy”といい、頭文字をとってECTと呼ばれています。“Electro”は「電気の」、“Convulsive”は「けいれんの」、“Therapy”は「治療」です。つまり、頭部に電気を流し「けいれん」を起こすことで、脳の機能を改善する治療法として1930年代に開発されました。うつ状態・そう状態・興奮状態・強い幻覚や妄想がある状態などに、高い効果・即効性があることが知られています。

ただし、治療効果が高い反面、かつての治療技術では、患者さんに苦痛を与えてしまうという欠点がありました。しかしながら、近年治療技術が大幅に改善され、患者さんに苦痛のない治療方法として、再び脚光を浴びています。当院では、患者さんに不安や恐怖感がないよう「全身麻酔」をかけ、骨折や脱臼を避けるため「筋弛緩剤」を使用し、記憶障害の危険を最小限とするために「パルス波」と呼ばれる電気刺激を行っております。以上のような新しい治療を『修正型電気けいれん療法』とよび、英語の場合は「修正」を意味する“modify”を付けてm-ECTと呼ばれます。

日本では1980年頃より、関東地方を中心にm-ECTが施行されていますが、麻酔科医の確保が困難なため、多くは総合病院に限られ、単科の精神科病院では現在も相当数のECT(筋弛緩剤なし)が行われています。当院では麻酔科医が常勤しており、専門的に関わる看護師と共に、2004年5月から2010年4月末までに325人の患者さんに、延べにして約3,300回のm-ECTを施行し、安全に治療を実施しております。

 

治療の流れ

  • 医師より、治療の説明を、患者さんとご家族に行います。
  • 事前に血液検査・心電図・脳のCTスキャンをとり、全身状態をチェックします。
  • 治療前夜は鍵のかかる個室に入っていただき、絶飲食して胃の中を空にします。
  • 治療当日は点滴をし、治療室に向かいます。
  • 治療室で、麻酔薬と筋弛緩薬を投与し、眠っていただきます。
  • 全身麻酔の状態で、前頭部に0.9アンペアの電流を5~8秒間流します。
  • 病棟の自室で、しばらく安静にして過ごします。
※治療は、週1~3回、計6~12回程度行います。

治療を受ける際の注意点

  • 1) 心臓や呼吸器に病気がある方は、事前に、医師にご相談ください。
  • 2) 副作用として、頻脈・血圧上昇・頭痛・一時的な物忘れなどがあります。
    ただし、これらの症状は一時的なもので、治療後は自然に元に戻り、後遺症は残りません。
  • 3) 治療は一時的な物忘れの副作用があるため、思わぬ事故が生じないよう「入院治療」が原則です。
    その際、以下の点をお守りください。  
    • 治療前夜は、完全に絶飲食していただくため、鍵のかかる個室に入っていただきます。
    • 治療中は、外泊をお断りしております。
    • 治療中は、原則として外泊をお断りしております。
  • 4) 治療費は、保険適用(3割負担)の場合、1回につき約1万2千円。使用する薬剤によって、治療費は変わります。また、高額医療費の負担軽減措置(約2カ月後に還付)を受けられます。